フレデリカの詩 考察1
鬼隠し編
どうか嘆かないで。
世界があなたを許さなくても、私はあなたを許します。
どうか嘆かないで。
あなたが世界を許さなくても、私はあなたを許します。
だから教えてください。
あなたはどうしたら、私を許してくれますか?
鬼隠し編では、圭一が疑心暗鬼になってしまい暴走してしまう話です
この詩の「あなた」は雛見沢症候群に発症してしまった圭一と考えられます
「私」はレナと羽入2人の語り手のパターンがあると考えられます
またこの詩の「許す」という言葉は、2つの意味合いがあると思いました
1つは、過去の失敗や過ちを責めないといった意味
もう1つは、相手に気を許す≒相手を信じるというと意味で書かれていると思いました
圭一は、モデルガンで少女に怪我をさせてしまい、警察に出頭したという過去があります
新たなスタートとして、雛見沢に来ましたが、余所者のため、今年の雛見沢連続怪死事件の犠牲者となってしまうと思い込んでしまいます(実際には異なる)
①「私」がレナ
世界があなたを許さない=余所者のため、連続怪死事件の次の犠牲者に選ばれてしまう(圭一の思い込み)
あなたが世界を許さない=仲間達から命を狙われていることは、圭一の思い込みにも関わらず、それが真実であると疑わない
私はあなたを許します=レナ達は、圭一に敵意など持たずに心を許します
あなたはどうしたら、私を許してくれますか?=圭一はどうしたらレナ達を信じてくれますか?
②「私」が羽入
最初の2つは、ほとんど意味は同じです
私はあなたを許します=圭一が過去に起こした傷害事件の過ちを許す
あなたはどうしたら、私を許してくれますか?=連続怪死事件がオヤシロ様が起こしたものではないことをどうすれば信じてくれますか?
どちらも圭一が疑心暗鬼になっている内容ですが、①は仲間を疑っており、②は雛見沢村のことを疑っております
レナと羽入の2人の、自分には圭一をどうすることもできないという無力さを嘆いた詩という印象でした
鬼隠し編 漫画版
何が罪かわかりますか。
知恵の実を口にしたからではありません。
何が罪かわかりますか。
蛇の甘言に耳を貸したからではありません。
まだ罪がわかりませんか。
それこそがあなたの罪なのです。
詩の内容や、圭一に問いかけている雰囲気からして、詩の語り手は羽入なのかなと思います。
この詩は、圭一の自分がなにが悪かったのか?=罪が分かるか?と問いてる内容です
知恵の実を口にした=過去に雛見沢で起こった、バラバラ事件のことを知ってしまった
蛇の甘言=大石から、雛見沢連続怪死事件の話を聞き、レナや魅音が事件の犯人かもしれないと聞いてしまった
それこそがあなたの罪=そのことを信じてしまい、レナや魅音を疑ってしまっていること→事件と自分のことを結び付けた、圭一の勘違いであること
その時の自分が感じた罪は、「仲間を信じれなかったこと」と気づきます
鬼隠し編と罪滅し編で、詩の意味合いが変わる詩なのかなと思いました
綿流し編
あなたの乾きを癒せない。
真実を欲するあなたがそれを認めないから。
あなたの乾きを癒せない。
あなたの期待する真実が存在しないから。
それでもあなたの渇きを癒したい。
あなたを砂漠に放り出したのはわたしなのだから。
綿流し編のこの詩は、目明し編でこの編の謎が全て解けた後の視点から考察します
この詩の「あなた」は詩音で、「わたし」は魅音のことでしょう
またこの詩は、「乾く」と「渇く」の2種類の「かわく」が使われています
どちらの「かわく」も水分が無くなるという意味が存在しますが、
「乾く」は、感情や人間味が無くなるといった意味が、「渇く」は、無くなったものを心から強く欲しがるという意味が存在しています
真実を欲する=事件の背景は、すべて園崎家が関与していること
あなたの期待する真実が存在しない=園崎家は何も関与していないこと
砂漠=今の詩音の現状
そのためこの詩は、
悟史がいなくなってしまい、心に穴が開いた詩音の感情を癒すことができない
それでも「わたし」が貴方の傷ついた心をどうにか癒してあげたいと願う詩なのかなと思いました
詩の流れからすると、魅音が詩音の現状(儀式の日に入れ替わってしまい、学園に幽閉されたりと辛い目に合わせてしまった)に遺憾に思っている詩であると思いました
また、真実を欲する=悟史の生きていることと置き換えると、期待する真実が存在しない=悟史が死んでしまっていることになるので、(園崎家も悟史の行方を知らないため意味が合わない)この詩は悟史のことについては書かれていない、つまり
「悟史がいなくなったことで深く傷ついてしまった詩音のことを理解できてない」ような詩でもあると思いました
綿流し編と目明し編での魅音と詩音の気持ちが分かりあえていない状況を体現してるともいえる深い詩に思えました
綿流し編 漫画版
この世でもっとも見つけ難いもの。
砂漠に落とした針一本?
この世でもっとも見つけ難いもの。
闇夜に落とした鴉の羽?
この世でもっとも見つけ難いのは。
自分自身の思い違い。
この詩は結構ストレートな表現で、自分の思い違いに気付くのが1番難しいということを表する詩です
自分の勘違いには気付きにくいという意味合いよりは、疑心暗鬼になった場合や想いが強い場合に相手の言っていることを「信じることが難しい」という、ひぐらしの作品で仲間が抱える難しいテーマを表している詩なのかなと思います
この詩の表現は、見つけにくいものの例えとしてこの2つを例として挙げてるようにも思いますが、綿流し編に準えて考えると、
砂漠に落とした針一本=今の詩音の現状のせいで欠けてしまった心
闇夜に落とした鴉の羽=行方不明になってしまった悟史
詩の流れと合わせると、
自分自身の思い違い=悟史を行方不明にした犯人は、園崎家が犯人であると決め付けている自分の勘違い
このような意味合いでしょうか
悟史が生きてることを信じられないという表現もあるかなと思いましたが、そのメッセージ性は、目明かし編の詩の方がしっくりきそうなので違うかなと思いました